BUMPとRADは似てる?問題について
こんにちは。
今日は音楽の話題。
BUMPとRADは似てる?問題について書きます。
BUMP OF CHICKENとRADWIMPS。どちらも僕の大好きなバンドです。
映画「君の名は。」のヒット以降、「RADとBUMPって似てるよね」「最初BUMPかと思った」なんて言ってくる人たちがたくさんいました。正直「こいつら耳ついてんのかな」なんて思ったりしましたが、自分の好きなバンドに興味をもってくれた人たちにそうも言えず、「あ~」とか返してました。でも実はこのRADとBUMPの比較は僕が中学生くらいのころからずっと繰り返されてきた議論なんですよね。ってことで、僕もたまには考えてみたいなと思ったので、ブログにしてみました。
2001年に結成された4人組バンド。「いかした」という英語スラングの「RAD」と、「弱虫」という意味の「WIMP」を組み合わせた造語がバンド名。「かっこいい弱虫」とか「いかしたびびり野郎」みたいな意味。
1996年に結成された4人組バンド。「衝突」って意味の「BUMP」と「臆病者」を表すスラングの「CHICKEN」で「臆病者の反撃」みたいな意味。ちなみに4人は幼稚園からの幼馴染。
両者の楽曲が似ているかは置いといてバンド名の由来的なところには近いものを感じるよね。ちなみにRADWIMPSのフロントマン野田洋次郎は「BUMPは憧れであり、良き友人」と語っています。このBUMPは憧れという言葉は当然といえば当然、RADWIMPSが結成された2001年に、BUMP OF CHICKENがリリースした曲が「天体観測」。RADWIMPSだけじゃない、世の中のバンドマン達が憧れたとしても、影響を受けたとしても何も不思議はないんですね。彼の楽曲に似てる似てない以前に、そんなバックボーンがあることを知ってほしかったです。
そんな憧れの人と同じ業界で活躍して友達になっちゃう野田洋次郎すごい
「なんだ!野田はBUMPに憧れてるのか!じゃあ似てるのも納得だね!」
→うるせぇ!話はまだ終わりじゃねぇ!死ね!俺様はシャドバMasterだ!
ここから全然別物だよって話に入ります。
バンドサウンドが全然違うことについては、流石に似ている派の人たちも解っていると思うのでわざわざ書きません。あえて言うのであれば演奏の自由度が全然違います。BUMPはもう藤原の唄(歌詞)を聴かせるための、藤原の考えたメロディを響かせるための、いたってシンプルな演奏をしています。が、RADはギター、ベース、ドラムスと一つひとつのパートがとても面白い。野田のボーカルを含めて、すべての音が主張してくる演奏をしています。演奏技術の違いについては触れません。
じゃあ何が違うのかって?そりゃ歌詞ですよ。
どちらのバンドも臭い詞を書くよ。
「うわぁ」って引いちゃうのがRADWIMPSの歌詞
「ふふっ」と思わず苦笑いしちゃうのがBUMPの歌詞
まずはRADの歌詞見てみようか。
僕が例えば他の誰かと結ばれたとして 2人の間に命が宿ったとして
その中にきっと 君の遺伝子もそっと 紛れ込んでいるだろう
どうよ。これ。ロマンチックなようでめちゃくちゃ怖いでしょ。なんで、元カノの遺伝子が別の人との子どもに紛れ込むねん。
今から宣戦布告 二人の子供にきっと僕 嫉妬すんだよ
きっとそうだよ あぁ もう想像つく
君と血が繋がっているなんて なんて羨ましいやつだって
大人げなんてこれっぽっちもなく 耐え切れなくなって頬を濡らす
Tummy/RADWIMPS
おかしいでしょ?狂気の沙汰でしょ?100歩譲って彼女と血が繋がっていることに嫉妬するところまでは許しても、それに耐え切れなくなって頬を濡らすところは大人げないなんてもんじゃないでしょ?なにか?元カノの遺伝子が紛れ込んでる彼女と血の繋がった子供か?恐ろしいわ。
でも、こんなめちゃくちゃ怖いこととか、狂気じみたことを、素直に歌詞にできるのがRADWIMPSのかっこよさだと思うんです。そこに野田独特の言葉遊びとバンドの演奏力が加わったら無敵。君と羊と青とか本当に気持ちいいもんね。そんなバンドだから僕は好きなんですよね~。前前前世とかも好きだけど、君の名は。の曲たちは正直綺麗すぎるというか外様向けの曲なんだなって思ったりもします。
次にBUMPの歌詞見てみようか。
冬が寒くて本当に良かった 君の冷えた左手を 僕の右ポケットに
お招きするための この上ないほどの理由になるから
ただただ臭い。僕は女子じゃないから女心ってあんまりわからないけど、世の中の女子は好きな男性にこれ言われたらどう思うの?正直苦笑いでしょ?
笑うから 鏡のように 涙がこぼれたよ
一度でも 心の奥が 繋がった気がしたよ
冷えた手が 離れた後も まだずっと熱い事
見つけたら 鏡のように 見つけてくれた事
アリア/BUMP OF CHICKEN
この歌詞なんかはものすごく藤原らしいですね。笑ったら鏡のように涙がこぼれて、それを心が繋がったと表現する辺りとか、冷えた手を熱いと表現する辺りとか。この一見すると何を言いたいのかよくわからない、解釈が必要な言い回し。くどくて臭くて他にはない世界観。でもこれが熱心なBUMPファンに支持されている藤原節です。
言葉としてはRADWMPSの方が主観的で人間らしさに溢れてて、BUMPの方が文学的で客観的です。汚い部分もそのまま歌うRADと汚い部分すら綺麗事にしてしまうBUMPですね。
メロディも、バンドサウンドも、詩の世界観も、本人たちの声や歌い方も、ぜんぜんぜん違うわけです。
結論を言うと、この二つのバンドは似てません。
似てるとか言う奴は耳の穴をかっぽじってよーく聴いてください、それでも似てたらもう耳鼻科に行ってください。なんて嫌味なことを言うつもりはないけれど、どっちも素敵なバンドなので、ぜひ後ろのバンド演奏にも耳を傾けながら、歌詞を見てそれぞれの世界観を味わいながら聴いてみて下さい。きっと似てるなんてもう言えなくなると思います。
以上です。